都筑区折本町253にある(株)ヤナセ横浜港北支店(左)を、2人で訪問してきた。所在地は都筑区だが、第三京浜道路の港北インターに近いこともあり、名称は横浜港北支店である。 東京の港区芝浦にある本社を中心とするネットワークは、全国の都道府県に広がっていて、新車・中古車販売とアフターサービスを展開している。 訪問した横浜港北支店には、神奈川県9支店の管理部門もあり、中心的な事業所である。総務課の平野さんと販売課の田村さんが、応対してくださった。
ヤナセは1915(大正4)年に「梁瀬商会」として創業。以来、ほぼ一貫して輸入車を販売している。まだ人力車が幅をきかせていた時代に、アメリカのキャディラックやビュイックの輸入を手がけたことに驚く。 「約100年も前に、こういう事業を始めたきっかけはなんだったのですか」と聞いてみた。 「初代の梁瀬長太郎は三井物産に勤めていました。まだ需要が不確かな時代で、主軸ではなかった自動車部門ゆえ、独立してもいいと言われて創業したようです。今でいうベンチャー企業ですね」と、2人(左)が口をそろえた。 第二次大戦の頃は、自動車輸入の禁止・ガソリン不足など、自動車には厳しい時代だったが、梁瀬式天然ガス装置の製造・販売などで乗り切った。 今は、従業員数3,704名、拠点数142(2011年1月現在)と発展している。グループ企業を入れると更に増える。
横浜港北支店は1970(昭和45)年11月4日に開設した。この地域に長年住んでいる方は、イケア港北店の場所が、ヤナセの広い敷地だったことを覚えていると思う。 開設当初は、ここに保税倉庫と新車納車前点検・検査ラインの設備があった。横浜港に着いた輸入車をいったん保管して整備していたので、広い敷地が必要だった。1990年以降は、メーカーがこの業務を担うことになり、2003年にイケアに土地を譲り渡した。 フォルクスワーゲンを主に扱っていた時代もあったが、今はメルセデス・ベンツ(左)を販売している。この店だけで、年間480台が売れるという。 「ベンツといえば一部のお金持ちが乗る車というイメージを、以前は持っていたのですが、最近は若いサラリーマンも乗っていますね」と話を向けた。 「今は4割が30代のサラリーマンです。女性のオーナー比率も高く、3割に近づいています」。 「不況だ」「車が売れない」と言われながらも、高くてもステイタスがありしかも安全な車に乗りたい人が、若者層にも広まっている。格差社会をチラと見たような気がする。
ここの支店で扱っている車種がベンツということで、ベンツについて触れてみたい。自動車は、ドイツのカール・ベンツが1886年に原動機付き三輪車を作ったことにはじまる。今の世に無くてはならない自動車だが、誕生から125年しか経っていない。 のちに、ベンツとダイムラーが合併してダイムラー・ベンツ社を創立。今に至っている。だれもが知っているベンツ車のエンブレム(左)は、ダイムラー社のスリーポインテッド・スターとベンツ社の円形月桂冠を併せてデザインしたもの。 スリーポイントは、「陸・海・空」の各分野での繁栄を込めているという。 「日本の乗用車に占めるベンツの割合はどれくらいですか」と、あらかじめ質問事項を出していたので、平野さんの答えは正確だ。 「去年2010年の新車登録台数は約290万台。そのうち輸入車は21万3千台。ベンツは3万920台です。全乗用車の1.1%だけです」。 全国でベンツが売れる地域は、東京の港区・世田谷区、横浜の青葉区・都筑区。だから全国で1.1%という数字は、この近辺では倍ぐらいになるはずだ。 ちなみに、日本でいちばん売れている輸入車は、フォルクスワーゲンとのこと。
「この支店のことで、是非とも区民に知って欲しいことは、何でしょうか」。 「ベンツを取り扱っている店は、全国に205ありますが、その中でも当支店は、アフターフォローがしっかりしていることが自慢です。サービス工場にはリフトが30基あります。平均で月間1500台前後の入庫がありますが、他店よりお待たせする時間が少なくてすむように努力しています。作業員とは別の、アフターフォローのスタッフだけで、常時7人もいるんですよ」と、田村さんはサービスに力を入れていることを強調した。 ショールームの裏にある修理工場を見学させてもらったが、たしかに空いているリフトはほとんどなかった。訪れた日は大雪の翌朝にもかかわらず、かなりのお客さんがいた。
ヤナセ横浜港北支店は、都筑警察署の「都筑青少年交通安全連絡協議会」の一員になっている。自転車や二輪車の乗り方のマナーを指導するなど、交通安全キャンペーンに参加している。 「神奈川県自動車ディーラー交通安全対策推進協議会」にも属している。名称が長いので「ディーラー交対協」と呼んでいるが、特に春や秋の全国交通安全の期間には、街頭や広場で活動している。 左は「ディーラー交対協」の都筑地区のメンバーが、センター南の広場でビラ配りなどをして、交通安全を呼びかけている写真。 ベンツは世界中の憧れの車だということを、改めて知った。本場ドイツでも、抜きんでて高級車なのだという。その地位を保つために、メーカーもディーラーも目に見えない努力をしていることを、今回の訪問で強く感じた。 (2011年2月訪問 HARUKO記) |
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