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今回は、モザイクモール港北や阪急百貨店の「館(やかた)」を統括している「阪急ショッピングセンター開発」を、リポーター5名で訪問してきた。所在地は、都筑区中川中央1丁目。 ショッピングセンターの「従業員通用口」の扉を開けるや、表と違う裏の顔になる。「買い物ではなく取材に来たのだ」と、気持ちを 1階のインフォメーションで迎えてくれた高桐さん以外に、事務所には、館の施設管理をしている吉田さん、「横浜環境保全株式会社」の霧生さんの3人が、待っていてくださった。 ![]() ニュータウンに相応しい「館」のランドマークを、何にしようか。さまざまな案の中から観覧車に決まった。大阪・梅田のビルにビルトインの観覧車があり、特許をとっていたので、やりやすかったこともある。四角い建物に丸い観覧車は、デザイン的にも心地よく、かつ雄大だ。観覧車のスピードは、人間の生理のリズムに合った乗り物でもある。 ![]() 「ネオンがついてないと、『どうかしたんですか』と何件も、問い合わせがあるんですよ」と、高桐さんはおっしゃっていた。区民の関心が高い証だ。 ネオンの色は、季節によって異なる。全館定休日(2月2週目の火曜)を境にして、オレンジ色(左上)は、緑色(右上)になる。緑色がオレンジ色に変わるのは、9月1日。 最高地点は海抜約100b。晴れた日には、富士山や「みなとみらい」も遠望できるので、「ウワーよく見える!」「絶景だね」のせりふが、思わず口から出る。都筑区の小学生は、社会科見学で訪れるという。区内の学校の社会科見学は、無料にしている。 無料サービスと言えば、8月8日から15日に浴衣で訪れた人には、同伴者も含め無料で乗ることができる。ハロウィンの日に仮装してきた場合も無料になる。こうしたお得情報は、モザイクモール港北のHPに載っているので、こまめにチェックしたらとうだろうか。 ![]() 2つ目の「お宝」は、ゴミ処理の施設。他のデパートや事業所が、見学に来るほどのリサイクルセンターである。ゴミ処理については、「横浜環境保全株式会社」の霧生さんが説明してくださった。4月ら横浜市の家庭ゴミも分別収集しているが、ここでは、5年半前のオープン時から、分別を徹底した。当初は、テナントの店長が悲鳴をあげたが、今ではスムーズに行われている。 ![]() 「少ない面積、少ない人数で効率を上げる方法を、1年も前から研究したんですよ」の、高桐さんと霧生さんの説明に、感嘆してしまった。 使っている機械も最新型だ。いちばん驚いたのは、ゴミサー(右)と呼ばれる生ゴミ消滅器である。 生ゴミをゴミサーに入れて、分解させると、水と炭酸ガスに変化する。 こうして、ゴミが消えてしまう!!化学式を思い起こせば納得するが、最新の機械に触れるチャンスがない主婦レポーターには、新鮮な驚きだった。 例をあげると、発砲スチロールの箱は、インゴットステージという機械(右)で熔解し、インゴット(かたまり)にする(左)。その形で中国に運ばれて、テープやプラスチックの玩具に生まれ変わる。 同じように見えるプラスチックだが、性質の異なるプラスチックは40種もあり、そのうち半分の20種は、リサイクルに向かないという。家庭ゴミを分別している私たちにも、参考になる見学だった。 ![]() 3つ目の「お宝」は、館内にある井戸。平成15年3月に完成したばかりで、人目に触れない場所にあるので、ご存知の方は少ないと思う。吉田さんが、井戸施設を案内してくださったが、「写真お断り」なので、残念ながら、お見せすることはできない。 井戸水10に対して、水道水3の割合で、ブレンドしている。館内で使っている水は、井戸水がおよそ77%含まれていることになる。井戸は良いことずくめだ。水道料金が減ることはもちろん、渇水で水不足になっても困ることはない。災害時には、一部地域住民に飲料水を提供できるかもしれない。 下は、深井戸システムを図式化したものの一部。ご覧のように、地下183bの深さから汲み上げた地下水は、濾過器を通したあとに、塩素で殺菌するので、水道法や食品衛生法に適したものになっている。受水槽には、PHや塩素の数字が示され、適正な値になっているか、チェックできる体制だ。そのうえで、横浜市の水道とブレンドする。 井戸水で地盤沈下する話をよく聞くが、ここの井戸は、地下183bの岩盤下の被圧帯水層から汲み上げているので、沈下の心配はないという。良いことずくめの井戸に、レポーター一同、目からウロコの思いだった。 ![]() ![]() ![]() 最後に由緒あるタイルをお見せして、レポートを終わりにする。左は、ショッピングセンターの正面入口。地面に敷き詰められているタイルは、ビル建設の時に掘った土で作ったという。数10年前は、山野にすぎなかった地に、洒落たビルが建った。それを思い起こす唯一のよすがかもしれない。ここを通るときは、ちょっと足を止めていただきたい。 (2005年7月見学 レポーター HARUKO) |