地域の企業・施設訪問は、つづき交流ステーション開設以来ずっと続けている。最初の訪問は2005年3月のリコー中央研究所。50回目は2010年5月の都筑図書館。1年間に10ヵ所ほど訪問してきたことになる。記事を書くにあたっては、しつこいほど取材をさせてもらった。イヤな顔もせずに協力してくださった担当者の方には、大変感謝している。

5年の間には、都筑区から移転した会社もあるし、名前が変わったところもある。そういった変化と共に、”そうだったのか”というびっくり情報、見学できる施設、しゃれたモニュメントがある会社、つづき博士倶楽部に協力している会社などを、50回の区切りとしてまとめてみた。

重複している企業・施設もあるが、50の企業・施設はすべてこの中にリンクしてある。


  あか抜けしたモニュメント

訪問したところで目にしたモニュメント特集。なんらかの意味を持ちながらも、素晴らしいアートになっている

資生堂リサーチセンターの「氣と遊ぶ」というアクリルとLED素材の男女像。男性像は引き出しになっていて、漢方の生薬が入っている。 図研本社の「風景の指輪」というブロンズのモニュメント。
図研にはこれ以外にも「水のピラミッド」「豊穣の手」などのモニュメントがある。
フラインランドジャパンにある「ベルリンの壁」。東西分断の象徴だった壁の一部。壁崩壊後の2005年11月9日に設置した。 いであにある「空の輪」は、メビウスの輪が大空に向かって地軸に沿って伸びていることをあらわしている。傾きは地軸と同じ23.5度。

都筑の象徴にもなっている阪急ショッピングセンターの観覧車。ネオンの色は2月の第2火曜からら8月まで緑。9月からオレンジ色。
横浜国際プールの水浄の庭にあるこの白い石は、イタリア産大理石を使った「天秘」。他に「SWIM]や「イルカを聴いたか」などのモニュメントがある。 東京都市大学(旧武蔵工業大)には「ACCES」というモニュメントがある。時の流れと環境の変化を、情報彫刻で表している。


   そうだったのか!

会社名の由来は、不思議だな、面白そうだなと思った時に聞いているが、それぞれに歴史を感じる。世の中に知れ渡った商品名も、”そうだったのかあ”とびっくりしたネーミングがある。それをまとめてみた。

サカタのタネの「アンデスメロン」は、南米のアンデス山脈が原産地とだと思いがちだが、まったく関係ない。「食べてあんしんです」からのネーミングである。 崎陽軒の「シウマイ」は、一般的な表記であるシューマイとは書かない。点心職人の呉遇孫さんが、シウ↑マイと抑揚をつけていたことや、ウマイの3文字が含まれているからだ。 亀屋万年堂の「ナボナ」は、イタリア・ローマのナボーナ広場に由来している。毎年この広場で、菓子祭りが盛大に開かれ、大勢の子ども達で賑わうことからつけられた。 樫山商店として発足したオンワードは、創業者の樫山氏が三越に勤務していたときに三越の少年音楽隊が演奏していた賛美歌”Onward oldier”が心に残っていたことからオンワードとつけた。 ナムコは訪問直前にバンダイと合併したが、実際にはナムコの話ばかり聞いてきた。創業者中村雅哉氏の名前にちなみ、1971年からNAMCOブランドを使っている。

IKEAの本社はスウェーデン。IとKは創業者のイングヴァルト・カンプラードさんから、Eは生まれ育ったエルムタリッドという農園の名、Aは農園があるアグナリッドという村の名前。どの頭文字も創業者に関係がある。 つづきMYプラザの正式名称は「都筑多文化・青少年交流プラザ」。分かりにくいということでこの愛称が決まった。Multicultural(多文化の)のM、Youth(青少年)のYの頭文字、MY(私の)とプラザを組み合わせた。 山崎製パンの山崎は、創業者の名前だと思いこんでいたが、創業者の妹さんの嫁ぎ先の苗字。戦争未亡人になった妹さんの名を借りることで援助したのだという。 スパガーディッシュのGardishは正式な英語ではない。Garden(庭)とDish(料理)を組み合わせた造語。温泉の合間に庭を見たり食事を楽しんで欲しいとの願いが込められている。 ハウスクエア横浜のハウスクエアも造語である。私は何度もハウスケアと言い間違ってしまった。House(住まいと暮らし)とSquea(広場)を組み合わせている。住宅の総合展示場にふさわしい名前。


  都筑豆クイズ


都筑区民なら知っていて欲しい豆知識を、まとめてみた。もちろん、訪問した50ヵ所に関する出題だから、少々偏りはある。答えと詳しい情報は→の訪問先をクリックして!答えだけは→の次でわかってしまう設問もあるが、ぜひ詳細を。


★ 観覧車の最高地点は海抜何メートル?→阪急ショッピングセンター

★ 都市ガスのうち天然ガスは何パーセント?→東京ガス都筑ビル

★ ニュータウン開発後最初に進出した企業は?→リコー中央研究所

★ 盲導犬に向いている犬の種類は?→日本盲導犬協会

★ 都筑区内の火災原因の1位は?→都筑消防署

★ 国際プールで世界新記録を樹立したのは誰?→横浜国際プール

★ 手織機「さをり」で世界にひとつしかない小物を販売しいる施設は?→地域活動ホームくさぶえ

★ 世界でただひとつの種F1って何?→サカタのタネ

★ 地域のニュースとアドコミュニケーションの両方を備えている地域誌は?→タウンニュース社

★ ららぽーと横浜の本部(千葉県)の前身施設は?→ららぽーと横浜

★ シウマイの原料は?→崎陽軒横浜工場

★ 都筑区の水道水の水源は?→水道局港北都筑地域サービスセンター

★ 横浜でいちばん遺跡が多いのは何区?→埋蔵文化財センター

★ 主に高齢者と障害者施設を設計・施工している会社は?→神奈川日本建工

★ 都筑区の家庭に配達される朝日新聞は何版?→ASA港北ニュータウン都筑

★ 赤と白の煙突の高さは?→横浜市資源循環局都筑工場

★ 産業廃棄物の99.9%をリサイクルしているのは?→パナソニックモバイルコミュニケーションズ

★ 地下鉄グリーンラインの区内にあるはいくつ?→交通局グリーンライン事務所

★ 都筑区のコマツナ・ほうれん草・キャベツの収穫量は全国で何位?→JA横浜きた総合センター

★ 港北天然温泉は、地下何メートルまで掘ったか?→スパガーディッシュ

★ 白い茄子や白いピーマンを作っている農家は?→小金井農園

★ 年間通して参加できる親子に、米作りの場を提供している施設は?→自然生態園

★ 区内には警察署以外に交番はいくつある?→都筑警察署

★ 都筑区の下水管は分流式か合流式か?→都筑水再生センター

★ 区民ひとりあたりの公園面積は、横浜18区の中で何位?→都筑土木事務所

★ 区内に住んでいる外国人は何人?→つづきMYプラザ

★ 山崎パンの横浜第二工場で作っている生産品目の数は?→山崎製パン横浜第二工場

★ 都筑図書館のキャラクターの名前は?→都筑図書館

★ 神奈川県優良工場に選ばれたのは?→第一塗装工業とイシイ精機

★ 「海のエジプト展」やアレキサンドリアの海底調査をサポートしているのは?→日本ヒルティ

★ 江戸時代の将軍が鷹狩りの途中で休憩したところは?→関家住宅

★ 病院と医院にはなにか違いがあるの?→横浜市都筑区医師会

★ 結婚も子育ても仕事もしたい女性の受け皿になっている施設は?→NPO法人あっとほーむ

★ 従業員28名の町工場から今や世界的企業に発展した会社は?→京セラ

★ 無洗米はどうやって作るの→グリーンハウス 横浜食品流通センター

★ 横浜一のゴミ処理施設を独自で持っているのは?→阪急ショッピングセンター開発

★ CADって何→図研本社・中央研究所

★ 世界でいちばん影絵が好きな国は?→かかし座

★ 社員の共通言語が英語の会社はどこ?→テユフ・ラインランド・ ジャパン

★ 全国的にも有名な環濠集落がある弥生時代の遺跡の名前は?→横浜市歴史博物館

★ センター南一帯の施設に、地域冷暖房を供給しているのはどこ?→横浜都市みらい

★ 都筑区に本社があるアオキインターナショナルの創業の地は→アオキインターナショナル


  見学を受け入れている会社・施設


50社(施設)の中には、来場を大歓迎している店や施設(ハウスクエア・阪急ショッピングセンター・ららぽーと横浜・アオキインターナショナル・JA横浜のメルカート・国際プール・スパガーディッシュ・MYプラザ・東京ガス都筑ビル・都筑図書館・歴史博物館・くさぶえ)がたくさんある。これらほとんどは、休日があったとしても月に数日なので利用しやすい。

反面、一般には開放していない会社もたくさんある。その中で見学を受け入れている会社・施設(条件付の場合も)を紹介したい。

崎陽軒の工場には見学コースがあり、できたてのシウマイもごちそうしてくれる。詳細は崎陽軒のHPで。 サカタのタネ本社のエントランス付近の花壇や温室は自由に見学できる。温室開館は、原則平日の9時から午後4時まで(1・2・7・8月を除く)。
日本盲導犬協会の神奈川訓練センターでは、訓練の様子の見学を受け入れている。詳細は訓練センターのHPで。

江戸時代の代官をつとめた関家は原則として非公開だが、市の教育委員会の主催で公開されることがある。広報誌などをまめにチェックするといい。 自然生態園は、土日祝日の9時から16時までしか開園しない。生態系を守るためだ。その土日に野の花ウオッチングなど催しをしている。詳細は生態園のHPで。 かかし座は影絵の劇団として名高い。都筑区公会堂でも公演が行われいつも好評だ。詳細の日程はかかし座のHPで。

この他に、公の施設である水道局・資源循環局・水再生センターは、小中学生ばかりでなく、おとなでも見学できる。詳細は問い合わせを。


   つづき博士倶楽部

都筑区には、つづき博士倶楽部という制度がある。企業が持っている専門知識を区内の小中学生の授業に提供する制度。専門家の話を聞くことができるので、大好評だ。現在、博士倶楽部に協力している企業・施設は18ある。

50回で、このうち10の企業・施設(IKEA港北・いであ・崎陽軒・スズキ・テュフラインランドジャパン・東京ガス・パナソニックモバイルコミュニケーションズ・京セラ・資源循環局都筑工場・水道局港北都筑地域サービスセンター)を訪問した。

実際に見学した3社の授業の様子をごらんいただきたい。

京セラ横浜事業所は、主にケータイを開発設計している。生徒達には、ホンモノのケータイを分解させて、仕組みを説明していた。社員の熱意が伝わってきた。 いであの前身は、民間初の天気予報の会社。この日の授業は「気象の観測」というテーマで、終わったあとも質問が続出した。 自動車メーカーのスズキ横浜研究室は、主にロボットの話や実演をしている。現在の自動車はメカトロニクスの塊。そのメカトロニクスを代表しているのがロボットである。


   区内から移転したところ・名称が変わったところ

★取材した中で、都筑区から撤退して他に移転した会社や施設は次の3ヵ所。

 ○ バンダイナムコゲームスの未来研究所は、本社のある東京都品川区東品川に移転。HPのURLはリンクしてあるのと同じ。

 ○  埋蔵文化財センターは、手狭になったために、横浜市栄区野七里2丁目に移転した。HPのURLはリンクしてあるのと同じ。

 ○ 「ケーブルネットつづきの森」は、「横浜都市みらい」の組織から離れて、イッツ・コミュニケーションズに統合された。つづきの森の社員は、イッツ・コムの本社(青葉区市ヶ尾町541)にそのまま異動した。

★名称が変わったのは1ヵ所。

 ○ 武蔵工業大学は、東横女子短期大学を統合して5学部16科になったのに伴い、2009年4月から東京都市大学に名称を変えた。HPのURLはリンクしてあるのと同じ。

                                                (2010年8月 HARUKO記)
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