2020東京オリンピックの時に、横浜国際プールが、イギリスの水泳代表チームの事前キャンプ場に決まりました。都筑区がホストタウンになります。 これにちなんで、日本とイギリスのお茶の文化に焦点をあてる国際交流のイベントが、2017年11月19日に都筑民家園で行われました。 主催は「つづきMYプラザ」と都筑区役所。協力は都筑民家園。 45人の参加者は、2時間半(午後1時から3時半)にわたる3種のお茶のセレモニーに興味津々の様子。各講師の説明に聞き入り、所作に見入り、美味しそうにお茶とお菓子を味わっていました。 参加者の日本人はたくさんの応募の中から抽選で選ばれた30人。外国人は、日本語を勉強中の15人。 講師の説明は日本語でしたが、外国人のほとんどは意味は分かるらしく、うなづいていました。茶室と和室での正座にも挑戦し、日本人でも正座ができない人が多くなっている今、日本文化に溶け込もうとしている姿を見て、嬉しくなりました。 45人は3グループに分かれ、アフタヌーンティー(紅茶)、茶の湯(薄茶)、煎茶の3つを、30分ずつ体験しました。 その様子は下の写真と説明でどうぞ。 |
始まる前に |
開始時刻前から展示物を熱心に見ている参加者 イギリスと日本の国旗が友好ムードを盛り上げている |
主催者の「つづきMYプラザ」林田館長の開始の挨拶 「日本茶も紅茶もウーロン茶も製法は違いますが、 すべて同じ茶の木」という国際交流ならではの話から始まった |
アフターヌーンティー(紅茶) |
アフターヌーンティーのおもてなしをしたのは 「ミセスグレースティースクール」の山根ユミ先生(左) 「一期一会」の掛け軸がかかる茶室でのティーは、 山根先生にも初めての試み |
美味しいミルクティーの入れ方を実演してくれた 温めたカップに常温の牛乳をいれる。 その上から通常の3分より30秒から1分濃い目に 蒸らしたティーを注ぐとミルクティーの出来上がり。 ポットが冷めないようにかぶせる保温カバー (右端にある紺色)も大事な道具 |
抹茶の席と同じく、陰だしでのミルクティー お菓子はベルギー産のチョコレート、紅茶はスリランカ産 |
羽織袴のイギリス人の若者がピーターラビットの絵本を 英語と日本語の両方で読んでくれた |
茶の湯(薄茶) |
和室で茶の湯のおもてなしをしたのは、 裏千家教授の江野畑早苗さん 「茶の湯の一期一会は、一度だけのめぐりあわせに心を込めておもてなしをすることです」と、室町時代からつづく茶の湯の奥深さを 分かりやすく説明してくれた |
薄茶席は、まずお菓子が出る。 今日の和菓子は金沢の老舗から取り寄せた逸品 |
お菓子を食べ終わった頃に、薄茶が出される 抹茶の苦みが外国人には苦手だと聞いたことがあるが、 みなさん「美味しい!」と飲み干した。 |
盆点前(右)は、手軽にお茶を点てることができる一式 こぶりな道具が箱に入っている茶箱(左)は、 旅先などでも点てることができる |
煎茶 |
土間で、家庭でよく飲まれている煎茶のおもてなしをしてくれたのは、日本茶インストラクターの山腰直子さん |
美味しいお茶を入れるために大事なのは「お湯の温度」「お湯の量」「茶葉の量」「浸出時間」ですという講師の話に聞き入っている |
3人が1組になって、お茶の入れ方の実習 最初の一煎を飲んだあとにお菓子(今回は紅葉の煎餅)を食べ、 次に二煎目を飲む |
お茶の三大産地は、静岡県、鹿児島県、三重県 富士山を背にした茶畑の美しさは芸術的だ(左上の写真) |
3種類のお茶を楽しんだ参加者たちが、一堂に会して振り返りの会。「楽しかった」「美味しかった」「お茶の入れ方を教えてもらったので、家でも試してみたい」など満足そうな声が寄せられた。 締めくくりは、畑澤区長(左)の「この講座が、おもてなしの心を学ぶきっかけになることを願っています。2020年のオリンピックでは、イギリス代表チームを笑顔でお迎えしましょう」の挨拶。 紅茶も日本茶(抹茶・玉露・煎茶・ほうじ茶)もウーロン茶も同じ茶の木の葉で作られる。トルコなどイスラムの国で好まれる紅茶は「チャイ」と言う。日本の「チャ」と、どこでどう結びついたのか興味はつきない。 「日本とイギリスの文化の融合」のイベントを取材させてもらい、世界共通のお茶の文化を改めて考えるきっかけになった。2020年には、みんなが「おもてなしの心」を持てるようになりたいものだ。 (2017年11月訪問 HARUKO記) |