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初めて事務局の蛯名さんにこの話を聞いたとき、障害のある方と地域とのコラボレーションでの防災訓練が今までなかったことが不思議な気持ちになりました。
健常者でさえ、発災時には不安になるのですから、体のどこかに不自由があれば、きっと「なにかあったときどうしよう」と不安になるに違いありません。
今回の訓練では、まずはじめの一歩として、地域防災拠点である中学校に来てみよう、そして地域の人たちに自分たちがどんな援助を必要としているのか感じてもらおう、また防災拠点で実際に障害のある人たちが、避難できるのか?を考えてみようと行われたのです。 |
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今回の体験訓練のメニューは、まず受付をしたら、地域の方(町内会の方たちや民生委員、中学生など)とペアを組み、体育館の中に居場所をつくるところから始まりました。
防災倉庫には準備されてはいないのですが、やはり居住空間の確保として、パーテーションは必要だということを事務局で考え、プラスティックダンボールやダンボールを用意しました。取材したレポーターとしても、やはり障害のある方、とくに集団生活の中でなじみにくい人にはパーテーションが必要だと感じました。
また、合間をぬって防災倉庫の見学もしました。初めて防災倉庫を見る方も多かったようです。 |
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体育館に入るときに、すでに大きな段差があり、車椅子の方たちは、自分の力で入ることはできませんでした。「板一枚あればなんとかなるのに」と車椅子の方はおっしゃっていました。
普段意識していない段差は、体育館外のトイレにもあります。またトイレは洋式でないと車椅子の方にはきびしいです。バリアフリーであることの必要性を感じました。 |
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パーテーションをつくっている間に、地域の方たちがせっせと食事の用意をしていました。なんとこのお米地元でとれたお米だとか。カレーはレトルトを温めた簡単なものでしたが、お米が正直とてもおいしくて、ほとんどの方が完食されていました。この写真のしゃもじは手作りしたそう。すごくりっぱで丈夫で長持ちしそうです。
非常に手際よく役割分担もされていて、さすが地域防災拠点の運営委員会の方! |
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訓練のメニューのひとつとして、避難者の状況確認訓練がありました。
これはひとりひとりに「避難者カード(兼 安否確認票)」、今回のために用意した障害者のための「要援護者情報聞き取りシート」を使って、民生委員の方たちが障害のある人たちの聞き取り調査をしました。
防災倉庫には「コミュニケーションボード」(絵や文字がかいてあり、指を指すだけで意思が伝わるようなボード)や「かきポンくん」(何度も簡単に書き直せるお絵かきボート)が用意されています。
障害の種類によってそれらも活用します。
またハンドマイクを使って情報をアナウンス。でもちゃんと聞こえている人は少なく、文字でも掲示します。
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おひるはみんなでつくったパーテーションの中で落ち着いて、カレーをおいしく食べました。下に引いていた畳は柔道などをやるためにおいてあるものを借りてきました。畳があると冷えることも少ないです。
今回は紙コップではきっとこぼしてしまうことが多いからと、ペットボトルのお茶を用意しました。普段は防災拠点にはありません。これも不自由な人たちにとってどんな方法がよいのか、工夫する必要がありそうです。 |
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最後に全員で今日の訓練を振り返りました。何人かにインタビュー形式で答えてもらったり、主催者や関連団体、区役所などの関係者からのあいさつがあり、終了しました。
みなさん一様に今回の初めての試みはとても有意義でよかった、お互いに勉強になった、しかしまだ第一歩なのだ、これからはじまるんだ、というお話でした。
これからこういう試みが広がっていくといいですね。
(レポsusuto 写真 SUGI) |
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