都筑区に地域防災拠点があることを知ってましたか?防災拠点って何なのか、都筑区には何ヶ所の拠点があるのか、横浜全体では何ヶ所あるのか。

区民レポーターになって10年にもなるのに、防災拠点について何も知らなかった。ほとんどの区民も知らないに違いない。災害がひんぱんに起こっている今、これではまずい。

こんな時に、拠点の1つ東山田小学校で、7月24日に防災訓練が行われるニュースを耳にした。夏の日差しが強い日だったが、取材に行って来た。

疑問に答えてくれたのは、横浜防災ライセンス資機材取扱指導員である永山さん、飯島さん、谷さん。写真を撮る時に永山さんは別の場所で準備中。その代わりいつも参加している中学1年生の息子さんに入ってもらった。左から谷さん、永山くん、飯島さん。ヘルメット・ゴーグル・ヘッドライトなどの装備もバッチリ。永山さんと飯島さんは都筑区民だが、谷さんは栄区民。

各所で防災訓練をするときに、ご飯の炊き方や機械の扱い方などを指導してくれる頼もしい人たちだ。ちなみに、指導員になるにはライセンスがいる。

横浜市の地域防災拠点は、阪神淡路大震災のあとに「横浜市も防災を考えねばならない」と当時の中田市長の提案で作られた。小中学校のほとんどに置かれ、横浜全体では458拠点がある。

都筑区の場合は、東山田中・早渕中・荏田南中以外の小中学校にあり、27拠点。各拠点には、トイレ・毛布・おむつ・ランタン・水・保存パンなどの防災グッズのほか、投光器・移動式炊飯器・発電機・エンジンカッター・レスキュージャッキなどを保管する大きな倉庫がある(左)。


防災グッズが完備されていても、いざと言うときに使いこなせなくては何にもならない。特に機材は扱いが難しい。宝の持ち腐れになってしまう。こんな時が、資機材取扱指導員の出番だ。横浜市では13年前から、指導員を育成している。

災害に巻き込まれたら、住民の協力なしには乗り越えられない。普段から訓練していないと、実際には動けないものだ。

ほとんどの町内会は毎年訓練をしているが、今回取材した東山田小の場合は今年で7回目。体育館、校庭、校舎わきの広場と3ヶ所で行われた。

この小学校を拠点にしている町内会は、東山田1丁目、東山田2丁目、ララヒルズの3つ。参加者は、1丁目が75名、2丁目が87名、ララヒルズが44名。
「今年は東山田2丁目が当番なんです」と、防災担当の役員は、広範囲に目を配り大忙しだ(左)。


当日の訓練の様子は次の写真をごらんいただきたい。    



灯油発電機を使う移動式炊飯器
1度に米12キログラム(120食分)が炊ける


資機材取扱い指導員のもと
ご飯を炊く訓練をする町内会のみなさん

 
30分かかって炊きあがったご飯を容器に移す
美味しそうにふっくらと仕上がった

炊飯と同時進行でカレー作り
玉ねぎ・ジャガイモ・人参・豚肉入りのカレー

 
体育館では「防災の備え」についての区役所の職員の話
地域住民は熱心に聞き入っている
 
備蓄庫備蓄庫の中の点検(期限切れ・劣化など)は
定期的に行っている

 
指導員の指導員の永山さん(トップの写真に写ってない方)が永山さん指導員トイレの重要性を力説してくれた
色のついたビニール袋やネコ砂があると便利



備蓄庫にある機械の数々
レスキュージャッキ、エンジンカッター、
発電機エネポボンベなど
 
 
東山田消防団の指導で
放水訓練と消火訓練


 
すべての訓練が予定通り終わり
参加者がカレーライスの昼食



地域 防災拠点のひとつ東山田小学校での訓練を見学させてもらった。東山田小学校の先生方、区役所の職員、町内会の方、消防団、そして資機材取扱指導員などなど、たくさんの人の協力でスムーズに訓練が行われた。特に、拠点で訓練があるたびに顔を出している資機材取扱指導員の献身的な指導には頭が下がる。前日7月23日に行われた茅ケ崎台小学校での訓練にも参加したという。

地域防災拠点制度が出来てから約20年。震度5強以上の地震が起こった場合に、拠点が機能を発揮する決まりだ。幸いなことに、都筑区では備蓄庫のグッズが使われたことは1度もないという。これからも使われないことを祈りつつ、”備えあれば憂いなし”。区民、市民全員が、自分の事として防災意識を持たねばならないと、強く感じた。

                             2016年7月取材   HARUKO記
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