神奈川まちづかい塾の活動の1つとして都筑区を中心として活動をしている、都筑プロジェクト川和町茶室 [ 山鳴庵 ] を尋ね取材した。 今回は、日本文化に興味を持った外国人留学生によるお点前を喫し、同様に日本文化を専攻し津軽三味線を研究習得中の外国人留学生による津軽三味線の演奏とトークを拝聴させてもらった。

茶道では、お茶を点てることを「点前」(てまえ)と呼ぶ。

点前を簡単に説明すると、お茶を点てる道具を茶席へ運び出して置きつけ、客の前で茶器、茶碗等を清め、茶碗をお湯で温める。そこへ抹茶を入れ、湯を注ぎ茶筅でかき回し、点てた抹茶を客へ出し、最後に使った道具をもう一度清めて元の場所へ片付け、道具を持ち帰る。

お茶を点てるための道具の置き場所や扱い方の手順に至るまで、茶道には余計な動きがなく合理的で、茶道の所作は流れるように美しいものであると言われる。

「山鳴庵」は都筑区川和町前田家の邸内にある本格的な茶室。

ご当主前田陽康(きよやす)氏(92)(写真)のご先祖は、加賀藩前田家の家臣で、この地 川和で400年の歴史がある由緒ある家柄。

茶の湯の席で挨拶される「神奈川まちづかい塾 」代表 小林さん

神奈川まちづかい塾には次の4つのプロジェクトがあり、連携した活動をしているという。
1.都筑プロジェクト
2.鎌倉プロジェクト
3.伊奈(長野県)プロジェクト
4.小田原板橋プロジェクト
真っ直ぐに伸ばした背筋、隙のない姿勢で作法通りの点前を務めるアメリカからの留学生Paul Ganir さん。現在パシフィコ横浜の日本語上級学校にて日本語研修中。

約5年前外国語教育助手として来日、高校教師として就任中に茶の湯を経験、以来、日本古来の文化にひかれ、特に茶道に興味を覚え、その作法を研修している。茶道習得のため年に1度は来日していると、流暢な日本語で自己紹介された。
シカゴ大学 東アジア言語と文明学部博士課程に在学中のJoshua Solomon さん。国際基督教大学は留学1年で、アメリカ「アーサイナス大学」の卒業論文で津軽三味線・吉田兄弟について書いたほどの親日家であり、津軽三味線愛好家である。

「山鳴庵」では、津軽三味線全般と歴史について流暢な日本語でトーク、見事な撥さばきで津軽5大民謡を演奏。3年前津軽三味線全国大会でデビュー、今年の全国大会には上位入賞を目指しエントリーしているという。
都筑プロジェクトの活動案内

「都筑プロジェクト」とは、2008年7月に発足。
現在は[ 山鳴庵]で毎月2回清掃と茶の湯を楽む活動と、年数回のイベントを実施している。
また、都筑プロジェクトでは庵主と共同で、本格的茶室 「山鳴庵」 を茶の湯だけでなく、いろいろな方面での有効利用を、広く市民に呼びかけている。
現在のメンバーは6名(男性3名、女性3名) 年会費 2,000円

都筑プロジェクトではこの他に、次のような活動を行っている。
 ①地域の歴史を調べ記録として残す  
 ②仲町台地区センター子供まつり
 ③日本文化や茶の湯体験講座
 ④民家園アートプロジェクト実行委員 他

都筑プロジェクトブログ
http://blog.goo.ne.jp/tsuzuki-pj
問合せ先: 都筑プロジェクトリーダー 井藤さん
E-mail :: machijuku_tsuzuki@yahoo.co.jp

「点前」を楽しみ ・ 「津軽三味線」演奏を堪能
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お客に甘い和菓子と、点てたお茶を運び供する お茶を頂き茶碗を鑑賞、甘い和菓子を食べる お茶を頂いた後、出された元の場所に茶碗を返す 本来は、亭主が点てたお茶を自ら取り込んで頂く
和室大広間にて、お点前あとの和やかな歓談 津軽三味線の見事な撥さばきに聴きほれ、しばし時の経つのを忘れる 外は雨。好天であればこの庭で野点の予定であった、前田家の見事な庭 野点に使う予定であった前田様手作りの炉と五徳
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                   取材・制作 : - shiba -  Apr. 2012