アオキグループとして全国に472店舗(2005年3月)を持つ株式会社アオキインターナショナルの本社(右)は、都筑区葛が谷にある。

その本社をリポーター5名で訪ねてきた。メンズファッションから出発した企業だけに、男性のリポーターがいると心強いが、今回も女性だけの訪問となった。

店舗の3階にあるオフィスで、広報担当の守屋さんから話をうかがった(左下)。守屋さんには、場所をかえての数時間に渡る取材でお世話になった。


会社の創業は1958年で、3年後に50周年を迎える。当時は、スーツ1着が、サラリーマンの月給に匹敵するほど高い物だった。「ビジネスマンに日替わりでスーツを着てもらいたい」という熱い想いが、創業の原点にある。

創業の地・長野市から、毛織物の産地・愛知県一宮市を経て、この地に本社を移したのは1986年の末。全国展開するにあたり、東京にも関西にも近いという利便性を考えての移転だった。




アオキは、1996年に、トーア紡など3社と「ウール・エコサイクル・クラブ」をスタートさせ、ウールのリサイクルに取り組んできた。トーア紡のパンフ(左)を見ると、エコサイクルの工程がわかりやすい。再生品は、マット、モップ、フラワーポット、手袋などに生まれ変わっている。

現在でも、不要のスーツを持ち込めば、商品割引小切手で下取りしてくれる。詳細は、店舗(045-941-9888)まで。

リサイクルには、問題点が多々あるようだが、自然の恵みで育った羊毛が、ゴミとして焼却されるのはしのびない。地球を守るためにも、アオキの「お宝」のひとつとして、今後も積極的に取り組んでほしい。

地球を守るといえば、地球温暖化防止の一環として、クールビズに続き、ウームビズが提唱されいるが、アオキも積極的に取り組んでいる。室温20度でも、快適に過ごせて、オシャレも楽しめる「快温コーディネイト」の商品が、店内にディスプレイしてあった(右上)。




アオキは、メンズファッション以外の事業も展開している。地下鉄「センター南」近くにある「パルティーレ横浜ウエディングビレッジ」(茅ヶ崎中央)もそのひとつ。これも「お宝」だと考えた私たちは、ぜひ訪問したいとお願いした。

2001年に「アニヴェルセルヴィラヨコハマ」として始まったが、2005年9月に名称を変更したばかり。この結婚式場は、アオキの子会社である株式会社「ラヴィス」が運営している。ラヴィスは、フランス語を語源とし「大切な人を輝かせたり幸福にしたい」という思いを込めた社名。

本社から車で移動しての取材になったが、支配人の林さんが、門に立って待っていてくださった。ご覧のように、めったにない秋晴れの日。建物の輝きが一層増して見えた。

この外観は見慣れているが、中には入ったことはない。ワクワクしながらの見学になったが、内部には、夢の空間が広がっていた。

ハッピーエンドのドラマの最終回に、よく使われるという。ロケに度々使われることが、素直に肯ける施設だ。

中央扉の内部がチャペル。イギリスの教会から譲り受けたステンドグラスと調度品が、晴れの日の誓いに相応しい雰囲気を作りだしている。

バージンロードを歩き終えた父親に「娘をこの男に託してもいいのか」と、牧師が念押しをするという。こんなエピソードを林さんが話してくれた。

式を終えた2人は、上写真の階段を降りながら、フラワーシャワーを浴びる。希望によって、風船を飛ばしたり、鳩を飛ばすこともある。

「風船を飛ばしたあとのゴミが気になるんですが」のIレポーターの質問に、「今の風船は、枯れ葉と同じように、朽ちてしまうんですよ」の答えが返ってきたので、安心した。

鳩は18羽が一組になって旋回した後は、管理している会社に戻っていく。鳩の世界にもリーダーがいて、17羽はリーダーの指揮で、行動するらしい。結婚式場の取材で、思わぬ面白い話を耳にすることが出来た。

イタリアのフィレンツェ、フランスのコート・ダジュール、スペインのコスタ・デル・ソルをイメージした3個所のパーティ会場(左)がある。各部屋には、それぞれのイメージに相応しい庭があり、外でもくつろげるようになっている。

3部屋とも、花・テーブルクロス・食器が飾られ、すぐにでも披露宴が始まりそうな雰囲気である。

結婚式ばかりではなく、銀婚式のパーティに使う方もいるという。多様な楽しみ方ができそうだ。





区内には、アオキが運営する施設が、他に2個所ある。ひとつは「アオキすみれが丘店」2階にあるカラオケルームの「コート・ダジュール」。

もうひとつは、「キッズワールド」閉店後に出来た「快活スクエア」(右)。本社の守屋さんのお奨めもあって、北山田3丁目にある「快活スクエア」を、訪問してきた。

1日に3個所は少々きついが、最後の訪問が、「ストレスを癒すリラックスデパート」を、キャッチフレーズにしていることもあり、疲れも吹き飛んでしまった。快活スクエアを運営しているのは、アオキの子会社である株式会社「ヴァリック」。応対してくれたのは、広報担当の杉浦さん。

快活スクエアを一言で紹介するのは難しいが、1階のキッズclubは、屋内遊園地、2階のスパclubは、岩盤浴など癒しの空間、3階のフィットネスclubは、トレーニングマシーンやスタジオがあるフィットネスの場、4階のリラクゼーションサロンは、パソコンやゲーム機が自由に使えて、コミックや新聞も楽しめる複合カフェになっている。

しょっぱなから、杉浦さんに疑問をぶつけてみた。「メンズファッションのアオキが、結婚式やこうした施設を傘下におさめているのが、不思議でならないんですが」。杉浦さんから、わかりやすい答えがすぐ返ってきた。「アオキの事業コンセプトは『生命美の創造』なんです。それに基づいた事業を、生活圏内で提供したいと考えています」。

3階のフィットネスクラブと4階の複合カフェ(左右)は、朝8時から深夜1時まで営業している。昼間は主婦、夜は勤務を終えたサラリーマンの利用者が多い。

マンガやインターネットを楽しむなら、家でもいいのにと思ってしまうが、飲み物もフリー、マンガも何千冊も揃っている。快適な空間には、お金を出しても訪れたい人が増えているようだ。

杉浦さんに、1階から4階まで案内していただいた。バリ島のリゾートホテルをイメージしたという館内は、日常とかけ離れている。茶色の落ち着いた色調で統一され、どこからともなく良い香りがしてくる。赤ちゃんグッズを主体にした「キッズワールド」が、こんな空間に生まれ変わっていることは、訪問するまで知らなかった。 (2005年10月訪問 HARUKO記)

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